行き過ぎた相場の調整は一旦終了〜FX相場を振り返って〜

相場雑感

先週のドル円相場は、82.50円台にてスタートしましたが、27日の欧州タイムにおいて、米格付け大手・S&Pが日本のソブリン格付け引き下げを行いました。このことから円が急落する展開となり、ドル円は83円前半まで急上昇する動きを見せました。
しかし米新規失業保険申請件数が予想よりも弱い数字となったこともありドル売りが強まり28日には82円前半まで戻すといった展開となりました。

行き過ぎた相場の調整は一旦終了

7月中旬以降、ドル円以外の対ドル相場はドル買戻しがトレンドとなっており、7月18日に1.6040ドルの史上最高値を付けたユーロドルは、先週末には1.4190ドル近辺までの下落、ポンドドルは昨年11月に2.11ドル台を付けて以来、1.95-2.00ドルを中心としたレンジ相場となっていたが、8月に入り英国経済に対する悲観的な見方が台頭したことからポンドを売り込む動きが強まり、先週末には1.7540ドル近辺までの下落につながっている。

 

英国を始めとして、9月に入り各国中銀からは金融緩和に前向きとを思われる発言が増えており、主要各国の金融緩和姿勢は資源価格の下落と共にインフレに落ち着きが出ることによって、今後進む可能性が出ている。米国では週末の雇用統計が市場予想を大幅に下回る結果(業者によるFX情報)となったことから、年内据え置きと見られていた2.0%のFF誘導金利も年末に向け、利下げモード入りする可能性が高まっていると言える。雇用統計後の値動きにはドル売りは限定的となっているが、今週はこの米国への利下げ期待をどこまで織り込むことが出来るかに市場の注目が集まっている。

 

今週の経済指標では英国の生産者物価指数、米貿易収支、本邦GDP、米生産者物価指数などの経済指標に挟まれニュージーランド中銀の利下げが予想されている。8月の市場でドル売り速度が速かったこともあり、週前半のユーロドルやポンドドルについてはヘッジファンドや欧米機関投資家の戻り売りが頭を抑える可能性が高いものの、短期的な過熱感により短期筋を中心としたユーロ、ポンドなどのショートカバーが入りやすい地合となっている。ただし、短期的にはユーロドルで2005年12月の1.3670ドル高値を意識した動きが強まりそうであり、またポンドドルでは2001年の安値1.3677ドルと昨年の高値である2.1162ドルの半値戻しである1.7420ドルを狙う動きが強まる可能性が高いと言える。

 

また、140ドル台からの下落であり、落ちたとは言え未だ100ドル台を維持している原油価格だが、今後更に原油価格の下落が進むことによって各国のインフレに対する警戒感が薄れ、緩和的な政策に舵を切る国が増えると思われる。当面は昨年末のもみ合いの下限である1バレル86ドル台までの下落を見ることが出来れば、短期を中心とした投機的なポジションがかなり減少すると思われ、100ドルを割り込むことによって短期筋の損切りが下げを加速するのではないか。

 

為替(FX)市場では短期的に調整的なドル売りがいつ始まってもおかしくない状況となりつつあるが、先週までの動きから対欧州通貨を中心としてドルの押し目買い意欲が強いこともあり、ユーロドル、ポンドドルなどの戻りは限定的となりそうだが、ドル円では108円台の重さが目立つことになるのではないか。先週末は105.50円にあるオプショントリガーや日銀のレートチェックのウワサに阻まれた形でドル円は107円台中盤まで急激な上昇を見せて終えているが、108円台前半には輸出やファンド勢のドル売りが控えている可能性も高く、上値の重さを確認することができた場合、再度105.50円を試す展開を念頭に入れておいたほうが良いのではないか。ドル円、クロス円については未だ戻り売りの姿勢を保持するべきかもしれない。

月曜日朝方の動きについて

日曜日に米政府より住宅抵当公社2社の政府管理についての発表(FX会社より抜粋)があったことで、米国発の金融不安が後退するとの思惑からドル円、円クロスが急騰を見せている。金融不安後退=円売りとはおかしな図式ではあるものの、市場では円キャリートレードや資源などへの投機的なポジションを回避する傾向が強まっていたことから、このリスク回避の動きについて巻き戻し的な動きが出ていると思われ、いわば、円ロングのポジション調整の域を出ない可能性もある。長い期間の円安基調の調整局面は今後も継続すると思われ、今回の円売りは基本的に短期的な値動きとなるのではないか。

レンジ突破の材料

世界的な景気後退観測、米国の金融信用不安、原油価格や地政学的リスクの高まりなど材料は日毎に変化し、値幅は大きく高下しているが、ドル円は108-110円台のミドルレンジ相場が続いている。

 

昨年の夏、サブプライム問題をきっかけに米国経済の悲観的な見方が広がり、米ドル下落が相場を引っ張ってきたが、ここにきて欧州圏やオセアニアもその余波から景気後退が数字となって表面化したことにより、相対的にドルが持ち直している。

 

また、経済指標では住宅関連ではまだ低迷しているものの、先週のGDP上方修正、耐久財受注等が予想を上回り、ファンダメンタルズ面からもドルをサポートする状況となってきた。先週は3月のベア・スターンズ社問題などでドル独歩安の展開となった際に、日米欧の通貨当局が「ドル買い介入」で合意していた、との報道があり、今後のドル売りに対して一定の歯止めとなる材料が加わった。ファンダメンタルズを見ながら、テクニカル分析を駆使したFX自動売買で仕掛けるのも良いだろう。

 

米国の金融政策に関しては、インフレに対応するための早期利上げ観測は後退し、現状の金融政策が継続するという見通しが強い。FOMC議事録ではインフレを懸念する声もあったが、景気や金融機関に対する信用不安に配慮する姿勢が示されたとマーケットでは受け止められている。3日に発表される米地区連銀報告では、労働賃金、住宅市場など、改めて現在の状況が具体的に示されるため、マーケットの注目度は高い。

 

景況感はこのところ予想を上回っていることから、2日のISM製造業景気指数や4日のADP8月米雇用報告、そして5日の米雇用統計など重要な指標に対する期待が強くなっている。108-110円のミドルレンジはひと月弱続いており、レンジを超えたときの爆発力の源となる時間的調整のエネルギーは十分蓄積されている。

 

ドルに関してやや好材料に偏ったものを記述してしまったが、改めてマイナス要因も頭に入れておく必要がある。今月は減税効果が剥落する可能性が高い個人消費の動向や9日のOPEC総会を受けた原油相場、中旬以降発表される投資銀行の決算、ロシアとの関係悪化やオリンピック後の中国経済動向など、リスク要因は少なくない。米金融不安に関して、リスク許容度の改善・悪化が株式市場にも影響を及ぼし、為替相場もそれに左右される流れとなっているが、NYダウの動きを見てみると、12,000ドルあたりはまだ重たく感じられるため、まだレンジを抜けられそうにないイメージを持っている。

ペンタゴンチャートの見方

  1. ローソク足(値段)は各辺に沿って動いたり、各点に引き寄せられる
  2. 各点が変化日になる
  3. 各点に引き寄せられたもののその点に到達できなかった場合には反転する
  4. 中心点の上方を通過すれば次のペンタゴンは上方か真横、下方を通過すれば真横か下方に付く
  5. 時間の逆行は起きてはいけないこととされている。

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